Daily Graphic

[218] Le Comte de Monte Christ

Le Comte de Monte Christ by Mori@管理人 (37 KB)
私は氷柱に過ぎず。結晶に過ぎず。
友を前にして語ることも叶わず、情も枯れ果て。
しかしなお思うところあり。
怒りにも似て非なるもの、血潮にも似て赤きもの。
噴出す執着に身をまかせた、
ここにいるのは最早「私」ではない。
「彼」なのだ。*****************
「巌窟王」より、再度、モンテ・クリスト伯、或いはエドモン・ダンテス。
実はエデ、ベルッチオあたりも描いてみたかったのですが。このアニメーション、最初の衝撃がすごかったですね。完全に原作とは別の作品になっていましたから。主人公を若者の視点に置き換えるだけで新しい物語として開かれていく。原作自体も面白いですが、これはまた別の物語として楽しんでいます。正直、そのままの話にならなくて良かった。放映されたのがもし企画初期のベスター「虎よ!虎よ!」であったら、さすがにみなかったかも・・・。(「虎よ!虎よ!」は、作品のもつ破壊的なカタルシスを再現するのはちょっと今のところ無理があると思うので。)先日、人でないものにかんして少し書いたこともあって、「戒厳令の夜」という作品を読み直しています。この作品では、大和朝廷に滅ぼされた、ある意味「人でない」ものの子孫-支配者となった渡来者集団に対して服従しなかったために貶められ、土蜘蛛、国栖、後に蝦夷として悪し様に伝えられることとなった人々の血脈を受け継ぐ人々-が活躍する。人でないものをつくるのは人、と言う事でしょう。
もちろん簡単に服従しない場合でも、侮り難きものたちは少しづつ懐柔、共存、取り込む事もあったでしょうが、結果として先住民族の多数が追われてしまった。後からきた集団の方が迫害された場合もあったでしょう。伝えられる事実としては日本書紀にしても、あいまいな像しか結ばない鏡とでも例えるしかない。皮肉な話ですが、現在の日本人の多くが先住民のそれではなく、後からきた集団の子孫ということになりますね。

[217] Faces

Faces by Mori@管理人 (22 KB)
きわめて無関心に近い好奇心から
互いを覗き込んでいる、人にあらざるもの。**************人にあらざるといって思いつくのが、鬼とか仏とか、そっちのイメージ。茨城童子とかいますけれど、ようは盗賊やなにかが「童子」とあえて名乗りをあげる事で人ではなく、鬼になるわけだけれど。中身はしっかり人間だし、それでいて、やっぱりもう人としては扱われない。後に伝承されることにでもなれば、ますます人としての痕跡は薄れて、めでたく「鬼」の誕生となる。週末頃に関東にも春の雪が降ったので、「春の雪」というと三島かとなんとなく頭に浮かびました。実は好きな作家ではないのだけれど、いくつかひどく印象に残ってしまって忘れにくい作品があるという。(三島は自己愛と劣等感の人だけに、客観視はすごいと思うのだけれど、反面妙なところで自己との距離感がないまま、そのまま書かれている部分が多い気がするので、突き放した感じで読んでしまうような。)タニス・リーの新刊"Metallic Love"が届いたので、これから読んでみようかと思います。手頃なペーパーバックでよかった。

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