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72 Spirits of Solomon The King
Seven Cardinal Sins - 七つの大罪の対応表
七つの大罪(七つの罪源) seven cardinal sins あるいは the seven deadly sins とは罪そのものではなく、人間を罪に導く要因を指す。七つの大罪に数えられているのは傲慢 Pride、暴食 Gluttony、色欲 lust、貪欲 Greed、嫉妬 Envy、憤怒 Wrath、怠惰 Sloth である。七大罪それぞれを表すべく対応させたものが七大罪のデーモンである。七大罪のデーモンの対応には諸説があり、例として色欲にはベリアルやアスタロトも割り当てられることがある。また、七つの大罪と対をなして七つの美徳 Seven Virtues も存在する。七つの美徳に数えられているのは正義 Justice、分別 Prudence、節制 Temperance、堅忍 Fortitude、信仰 Faith、希望 Hope、慈悲 Charity である。 七つの大罪は、4世紀のエジプトの修道士エヴァグリオス・ポンティコスの著作に八つの枢要罪 eight cardinal sins として現れたのが起源といわれている。暴食、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢から構成されていた。13世紀のトマス・アクィナスなども、7つの大罪に対応するものを自身の著作で上げている。16世紀頃のドイツのペーター・ビンスフェルド Peter Binsfeld の対応表が特によく知られているが、これは正式なデーモン学の枠に照らすと外れたものであるらしい。とはいえ、人々が各デーモンに抱くイメージにはよく対応したものとなっている。 何故暴食、色欲、強欲、嫉妬、憤怒、怠惰、傲慢がこれほどまでに非難され、7つの大罪として成立するほどだったかといえば、なにも宗教的な倫理観だけではない。当時の生活事情を考えれば無理もない話しなのである。たとえば暴食にしても怠惰にしても、しばしばひとりの怠け者、ひとりの大食いが村にいるだけで、飢饉の時には飢え死にするものが出るかの死活問題になりがちであったためである。同様のものに旧約聖書申命記・モーセの十戒やレビ記の戒律がある。レビ記は当時の食や生活事情を反映したものとなっている。いかして病気を広めかねない悪習を禁じるか、畑を耕し乳を搾るのに有効な家畜をたやすく食料にしないようにするためにどうしたらよいかに心を砕いている様子は涙ぐましいものがある。 |
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七つの大罪のデーモン |
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参考資料
| 上記の表の製作にあたり、主に下記の文献を参考とした。 ● The Lesser Key of Solomon: Lemegeton Clavicula Salomonis (Joseph H. Peterson/Weiser) ● The Goetia the Lesser Key of Solomon the King: Lemegeton, Book 1 Clavicula Salomonis Regis (S. L. MacGregor Mathers/Weiser) ● 悪魔の事典(フレッド・ゲティングス/大瀧啓裕訳/青土社) ● オカルトの事典(フレッド・ゲティングス/松田幸雄訳/青土社) ● 西洋魔物図鑑(江口之隆/翔泳社) |

