第三の鳩－Halphas, The Third Dove

ハルファス－Halphas, Malthus, Malthas, ソロモン72柱の魔神の1柱にして、地獄の大いなる伯爵である。26の悪霊軍団を従える。召喚者の前に野鳩の姿で現れる。時には片足を膝まで露出した女性の姿を取る。戦闘において活躍する荒々しい魔神である。特に武器の補給を助け、城砦を構築する技術を提供する。高慢、うぬぼれ、富と権力、無礼を司る。

ハルファスのとる野鳩の姿に関してだが、多くの場合、鳩とは単純に平和をシンボライズしていると思いがちである。しかし一方で、古代から鳩とは臆病と狡猾、愛欲を象徴する存在として知られていた。セム系の民族にとって鳩とは愛と戦争の神・アスタルテと強く結びついた鳥であったからだ。つまり、ハルファスの狡猾さと鳩の姿は矛盾してはいないわけである。

この魔神を思うとき、連想されるのは旧約聖書においてノアの下についに戻ることのなかった第3の鳩である。戻る事のなかった鳩は、いったいどこにいったのか。その答えを思うとき、これも一つの回答になるのではあるまいか。放たれた以上、どこに行くのも自由なのだから。

♦ Description in English ♦

Halphas - Known as a Great Earl of Hell. Governs 26 legions of spirits. Appears in the forms of a Stock-Dove. Phenex is an excellent poet, and he teaches sciences. Under the conjurer's request, Halphas takes a form of a man. He can build up towers and to furnish them with ammunition and weapons, and to send Men-of-War (or Warriors or Men-at-Arms) to places appointed.